クリスマスは日本でもすっかり年中行事として定着したようです。宗教的な意味合いは全くと言っていいほどありませんが。
ところで、クリスマスと言えば何を思い浮かべますか?
クリスマスプレゼント、クリスマスツリー、クリスマスケーキ。
もう一つ「チキン」を忘れてはいけませんね。
クリスマスは、日本で一番チキンが食べられる日かもしれません。
でも、なんでクリスマスにチキンなのでしょうか?
欧米ではクリスマスに七面鳥を食べる
アメリカとカナダで祝日となっている感謝祭には七面鳥を食べる習慣があり、クリスマスでもごちそうとしても七面鳥が食卓を飾るようになってます。
では、なぜ七面鳥を食べるのでしょうか?
ヨーロッパからアメリカに移住したとき、冬の寒さで飢え苦しんでいると、先住民から穀物と七面鳥を贈られて、それで飢えをしのぎ生き延びることができました。
翌年は豊作で多くの収穫ができたことから、感謝を込めて先住民と収穫を祝い、そのときに七面鳥を食べました。
これがきっかけとなって、感謝祭として七面鳥を食べるようになったといわれています。
こうして、おめでたいときや祝い事のときには、七面鳥を食べる習慣となっていったようです。
さらに、この習慣がアメリカからヨーロッパへも伝わっていきました。
クリスマスに七面鳥を食べることには宗教的な意味合いはあまりないようですね。
日本ではクリスマスにチキン
日本では、欧米とは違いクリスマスと言えば「七面鳥」ではなくて「チキン」という風習が根付いています。
なんで日本では七面鳥ではなくてチキンを食べるようになったのでしょうか?
日本では七面鳥が手に入りにくく高いことからチキンになった
ケンタッキーフライドチキンによると、日本でクリスマスを食べるきっかけとなったのがケンタッキーフライドチキンだったということです。
ある日、日本に住む外国人の方が青山店で「日本ではターキーが手に入らないので、 KFCのチキンでクリスマスを祝おうと思う」とおっしゃって来店されました。
これにヒントを得た営業担当者が『クリスマスにはケンタッキー』を広くアピールしようと考えたのです。
そうして、初のクリスマスキャンペーンは1974年12月1日に開始、以降、KFCでは毎年全店でクリスマスキャンペーンを実施しています。-この記事公開当時の2014年頃のケンタッキーフライドチキン「歴史あれこれ」より
その後ケンタッキーの歴史は若干書き換えられてニュアンスが変わりますが、
ある日、店舗近くのミッション系の幼稚園から、「フライドチキン」を買ってパーティーをしたい。サンタクロースに扮装してクリスマス会に来てもらえませんか?との相談を受けました。サンタクロースに扮した店長が会場に入り「メリークリスマス!」の掛け声と、慣れない踊りで場が盛り上がり子供たちは大喜び。次第にいろいろな学校からご注文が入るようになりました。これにヒントを得た営業担当者が『クリスマスにはケンタッキー』を広くアピールしようと考えたのです。
-2018年のケンタッキーフライドチキンの「歴史あれこれ」より
やがて日本では「クリスマはチキン」という風習が根付いたといことです。
これを読むと、日本で「クリスマスにはチキン」を根付かせたのはケンタッキーフライドチキンということになりそうですが、どうもそうではないようです。
日本では昭和初期からクリスマスにチキンを食べていた
大手小町によると、読売新聞には、1977年(昭和52年)には新聞にローストチキンのレシピが紹介されていました。
ケンタッキーフライドチキンが、キャンペーンを始めた頃と重なりますね。
しかし、大手小町によるとその新聞記事の中で
ローストチキンは、昭和初期からすでにクリスマスの料理として新聞に登場しているそうです。そして「昭和40年代は、ローストチキン、洋酒、ケーキが『ファミリークリスマスの三種の神器』だった」とか。
大手小町「師走・和のクリスマス」より
日本で昭和初期からクリスマスにチキンを食べていたとは驚きです。
まとめ
こうして調べてみると、日本では、意外と古くから「クリスマスにチキン」を食べる習慣があったと分かりました。
なぜクリスマスにチキンを食べるようになったのかまでは分かりませんが、七面鳥が日本では一般的ではないので、鶏肉で代用したのかもしれません。
でも、日本で食べていたのは「ローストチキン」のようです。クリスマスに「フライドチキン」が優勢になったのは、やはりケンタッキーフライドチキンが広めたということのようです。