お正月に初詣で恵方詣りをしたり、節分には恵方とされる方角に向かって恵方巻きにかぶりついたり、生活の中に「恵方」が入り込んでいます。
これまでは「今年の恵方はこの方角」と言われればその方角が恵方なんだということで、あまり考えることもなく従っていました。
ところで、この恵方という方角は、どういう意味で、どうやって決まるのでしょうか?
調べてみました。
恵方とは
恵方は、その年の歳徳神(としとくじん)がいる方角のことです。
明きの方、吉方とも呼ばれます。
歳徳神とは、その年の福徳を司る神のことです。
恵方に向かって事を行えば、福が授けられると考えられています。
だから、初詣に恵方詣りりと行って恵方にある神社にお参りしたり、節分に恵方に向かって恵方巻きと呼ばれる太巻きを食べたりするんですね。
恵方の決まり方
では、恵方はどうやって決まるのでしょうか?
恵方(歳徳神のいる方角)は、その年の十干によって決まります。
十干とは
十干とは何でしょう?毎年の干支を決めるとき、十二支と組み合わせて使うやつです。
例えば、今年2014年は、十二支は午(うま)ですが、十干と組み合わせて「甲午(きのえうま)」となります。
この干支の「甲」の部分が十干と言われるものです。
十干と言われるとおり、全部で10あります。
- 甲(きのえ)
- 乙(きのと)
- 丙(ひのえ)
- 丁(ひのと)
- 戊(つちのえ)
- 己(つちのと)
- 庚(かのえ)
- 辛(かのと)
- 壬(みずのえ)
- 癸(みずのと)
この十干も十二支と同じように順番に回っていますので、甲の次の年は乙となります。
恵方の方角
恵方は、十干によって次のように決まります。
- 甲・己 → 甲の方角(寅と卯の間)東と東北東の間
- 乙・庚 → 庚の方角(申と酉の間)西と西南西の間
- 丙・辛・戊・癸 → 丙の方角(巳と午の間)南と南南東の間
- 丁・壬 → 壬の方角(亥と子の間)北と北北西の間
今年2014年の恵方は東北東と聞きましたが、もう少し正確に言うと、東北東と東の間ということになるんですね。
今後の恵方は調べなくても分かる
十干が分かれば恵方の方角は分かるので、将来の恵方も分かります。
でも、十干なんて普段は意識することがないですよね。でも大丈夫です。
西暦の下一桁の数字と十干の組み合わせは、ずっと変わりません。
だから、西暦の下一桁の数字で見ると簡単です。
西暦下一桁 | 十干 | 恵方 |
---|---|---|
0 | 庚 | 西と西南西の間 |
1 | 辛 | 南と南南東の間 |
2 | 壬 | 北と北北西の間 |
3 | 癸 | 南と南南東の間 |
4 | 甲 | 東と東北東の間 |
5 | 乙 | 西と西南西の間 |
6 | 丙 | 南と南南東の間 |
7 | 丁 | 北と北北西の間 |
8 | 戊 | 南と南南東の間 |
9 | 己 | 東と東北東の間 |
これでもう恵方の方角を聞いたり調べたりしなくても大丈夫ですね。