アライグマとフクロウがねぐらを競合して争っているのではというニュースがありました。
ニュースによると
外来種のアライグマが、ねぐらとなる樹洞(木に開いた穴)をフクロウと奪い合っている可能性があることが、北海道大の研究チームの調査で分かった。アライグマは絶滅危惧種シマフクロウの生息域にも侵入しており、チームは対策を求めている。
ということです。
外来種が日本固有の種の生息域を脅かしているのはアライグマに限ったことではありませんが、アライグマは生態系や人の生活にかなり深刻な影響を与えかねないものになっていようです。
アライグマが入ってきたのはなぜ
アライグマは、北米原産の動物です。
アニメ番組の放映をきっかけにペットとして輸入され、日本に入ってくるようになりました。そして、ペットのアライグマがが逃げたり捨てられたりして野生化し、それが自然繁殖して増えています。
アライグマは繁殖力が旺盛で、北海道に限らず日本各地で野生化、自然繁殖が確認されています。
野生化したアライグマの影響
生態系への影響
生態系への影響では、先ほどの天然記念物の絶滅危惧種シマフクロウへの影響に限らず、
- 絶滅危惧種のニホンザリガニの捕食
- エゾサンショウウオといった固有在来種の捕食
- アオサギが集団営巣放棄
といったことが確認されています。
また、知床や釧路湿原においても生息が確認され、さらなる生態系への影響が懸念されています。
人への影響
アライグマが農作物を荒らすために、北海道では深刻な被害が発生しています。
病気も怖い
アライグマと接触することで病気に感染する可能性もあり、中には人が死に至る可能性がある病気もあるので、かなりやっかいです。
アライグマが感染していると確認されたものとしては、
- 肝障害を引き起こす可能性のあるレプトスピラ
- 皮膚病の疥癬
があります。
また、可能性があるものとしては、
- 狂犬病
- アライグマ回虫
です。狂犬病は発病すると致死率100%ですから、怖いですね。
対策はどうなってるの?
外来種の被害に対して、国が生態系への被害を防止を目的にした法律を作っていて、都道府県や自治体が対策に取り組んでいます。
被害が大きい北海道では「北海道アライグマ対策基本方針」というものを作って、「野外からの排除」を最終目標にしています。
アライグマの捕獲については、「上手にアライグマを捕獲するために・・・アライグマ捕獲の手引き」が大阪府の「アライグマ被害対策について」というページ内に解説があります。
大阪では捕獲者として登録した後に捕獲できるようです。捕獲後は自治体に引き渡します。
野生化したものを完全に排除するのは難しいのではないかという気がしますが、少しでも影響を無くして欲しいですね。