カランメソッドやDMEメソッドは英語の直接教授法の一つで、英語を英語のまま理解し返答できるようにするための学習法です。
「4倍のスピードで英語をマスターできる」とも言われていて、ちょっと惹かれるものがありますね。
QQイングリッシュでカランメソッドをStage4までやってから、イングリッシュベルでDMEメソッドに切り替えました。
両方やってみると、カランメソッドとDMEメソッドは似ているところも多い一方で異なっているところもありました。
カランメソッドとDMEメソッドを体験して、比べてみました。
カランメソッドとDMEメソッドを比較
カランメソッドとDMEメソッドでレッスンの進め方は同じ
カランメソッドもDMEメソッドも、どちらも直接教授法と言われる英語の学習法で、Skypeを使ったインターネットのオンライン英会話スクールで学ぶことができます。
レッスンでは、カランメソッドもDMEメソッドも、先生が早口で2回質問を繰り返し、それに対してフルセンテンスで答えます。
簡単な例では
とフルセンテンスで答えます。
基本的なレッスンの進め方は同じと言っていいでしょう。
この例だと簡単そうですが、最初のうちはこれすらスムーズにはできません。また、先に進むと文が長くなるので、そう簡単には答えられなくなります。
カランメソッドとDMEメソッドの違い
一般には、カランメソッドには古い表現が含まれていて、DMEメソッドの方がより現代的な英語が使われているとされています。
古いかどうか分かりませんが、カランメソッドにはイギリス英語の表現が含まれていたり、イギリス式の発音で進められたりするのは確かです。DMEメソッドの方が、そのあたりは柔軟に対応している感じがします。
DMEメソッドは文法学習もある
カランメソッドとDMEメソッドの一番の違いは文法学習への力の入れ方です。
カランメソッドでは文法の学習はほとんどありません。一方で、DMEメソッドでは、レッスンで文法事項を繰り返し学習できるように工夫されています。テキストを使って文法テストのようなものまであります。文法の学習がしっかり組み込まれているのがDMEメソッドの特徴でもあるでしょう。
きちんとした英語を話すためには文法の正確な理解も必要です。特に仕事で英語を使うときは、文法的にも間違いのない英語を話したいもの。そういう意味で、DMEメソッドが文法にも力を入れているのは良いことです。

自分でも考えるDMEメソッド
また、カランメソッドでは決められたことを答えるのがメインです。「質問→決まった返答」という流れで進みます。
他方、DMEメソッドでは自分で考えて答える質問もあります。
例えば “Why?Why?” と聞かれて、自分で理由を考えて答えるようなものです。返答の内容は何でも良いのですが、自分で英文をひねり出さないといけません。内容によっては考えこんでしまいますよ。
こういった点から、DMEメソッドの方がカランメソッドより負荷が高いと言えるでしょう。
カランメソッドとDMEメソッドを受講した実感
カランメソッドやDMEメソッドを始めると、「これで使える英語が身につくのだろうか?」という疑問を持つかもしれません。私も最初のうちは疑問に感じました。
まず言えることは、カランメソッドを続けてリスニング力は確実に上がりました。
カランメソッドもDMEメソッドも正確に答えられることを求められます。質問を細部まで聞き取ったうえで頭に入れ、一旦記憶してから、口に出して言わなければなりません。かなりの集中しないとできません。
先生の早口の質問を細部まで集中して聞いて頭に入れることで、リスニング力は確実に鍛えられます。
雑誌などでカランメソッドについて「決まったことをおうむ返しに言うのは日本人に合っているかもしれません。」などどわかったような評価が載っていたことがありますが、ハッキリ言って、やったことがない人の言うことです。
カランメソッドやDMEメソッドでは聞き取った英語を一旦頭に入れて再生しないといけないので、どちらかというと、通訳育成法のリプロダクションに近いものがあるかもしれません。
また、会話については、常にフルセンテンスで答えることを求められるため、自然と英語でセンテンスを作ろうとする癖が身につきます。
社会人が仕事で英語を使うにはきちんとセンテンスで話したいもの。そういう意味では英語を仕事で使いたい社会人にも向いている学習法と言えるでしょう。
英会話学校の違いも大きい
カランメソッドとDMEメソッドをやって思ったのは、それぞれの違いより、学校の講師(方針?)の違いの方が大きいということです。
QQイングリッシュのカランメソッドでは、こちらがつっかえながらでも返答できれば、次に進んでしまうこともしばしばでした。シャドーイングの練習みたいになってしまうんです。
それに対して、イングリッシュベルのDMEメソッドでは、スムーズに返答できるまで何回も同じ応答を繰り返します。少し進んだレベルでスムーズな返答をしようとすると、質問の内容の理解とそれを自分で再構築する能力が必要となります。
例えば、
生徒: I think only ten per cent of people in Europe are for higher taxes.
これを1回で答えるのは至難の業です。
これでもシャドーイングのように先生について話すだけならできるかもしれません。ですが、自分だけで答えるとなると、何回かやって頭の中で英文を組み立て、話す内容を理解しないとできません。
また、イングリッシュベルの講師の方が丁寧で、冠詞、単数形や複数形、動詞の時制にも気を配って、誤りを指摘してくれます。
このような違いから、イングリッシュベルの方が、QQイングリッシュより集中力が求められます。
そのため、イングリッシュベルのDMEメソッドの方が、終わったときに充実感と心地良い疲労感が残ります。
効率的に進めるには復習が必要
DMEメソッドもカランメソッドも、レッスンは前回の復習から始まります。
この復習でレッスン時間を取られてしまうと、新しいことをする時間が少なくなってしまいます。
そのため、レッスンの後はしっかりと復習をして、レッスンで習ったことはスムーズに言えるようにしておけば、効率よく進めることができるでしょう。
漫然とレッスンを受講していても進むことは進むのですが、復習をきちんとしておくことがオススメです。自らの反省の意を込めて。
カランメソッドとDMEメソッドのどっちがオススメ
「カランメソッドかDMEメソッドかどちらか迷っている」または「英語を口から発することが苦手」という方には、イングリッシュベルのDMEメソッドがオススメです。
どちらも継続すれば、リスニング力とスピーキング力は自然と伸びるでしょう。しかし、DMEメソッドには文法学習があり、きちんとした英語を身につけられるように配慮されているので、特に社会人にはDMEメソッドがオススメです。
また、DMEメソッドの方が飽きさせないカリキュラムになっていて、継続率は高いようです。
DMEメソッドを提供している英会話スクールは限られるのですが、イングリッシュベルのレッスンがとても丁寧なので、DMEメソッドを学ぶならイングリッシュベルがオススメです。
さらに社会人が英語を学ぶ場合、DMEメソッドでは上のレベルにDMEビジネスというコースも用意されていて、ビジネス英語の表現も学べるようになっています。
まずは体験レッスンから始めてみてください。
生徒: Yes, it’s a pen.