日常会話レベルは話せるんでしょ?
この何気ない質問の返答にどれだけ窮してきたことか。
一般の方は、TOEICのスコアや仕事のために英語を学習していると聞くと、何気なくこのような質問をしてきます。このような方にとっては、日常会話があってその上にビジネス英語があるというイメージなのかもしれません。
つまり、難易度で言うと「ビジネス英語>日常会話」というイメージですね。
もし本当にそのとおりだとすると、日常会話をマスターしてからじゃないとビジネス英語の勉強しても、難しくてついて行けなそうです。でも、本当にそうなんでしょうか?
日常会話とビジネス英語の違いって何?
そもそも「日常会話」と「ビジネス英語」の明確な区分や定義があるかというと、そういうものはありません。
きっと。
日本語に置きかえても分かりますが、日本語でも「日常会話」と「ビジネス日本語」の区分は、少なくとも日本人にはありませんから。
ただ、一般的には、ビジネスシーンで話されるのが「ビジネス英語」それ以外のシーンで話されるのが「日常会話」。
そのようなイメージで語られているのではないでしょうか。
その前提に立っても、「ビジネス英語」「日常会話」、どちらも同じ英語です。もっとも、話される場面が違うので、言い回しや使われる単語が違っています。
ですが、これらは、どちらがより難しいとかより易しいとかいう関係にはありません。
私には、ネイティブ同士の早口でべらべらまくしたてる日常会話を聞いても、理解するのはかなり難しいです。例えなじみがある単語が使われていたとしてもです。
また、ビジネス英語では、専門的な用語が出てくることがあり、それらを知らなければ、内容を理解することができないこともあります。
このように、非ネイティブには、「ビジネス英語」「日常会話」どちらも母国語でない以上どうしても難しいと感じる面があるのです。
しかし、ビジネス英語の方が求められていることがある程度ハッキリしています。だから、そういう点では、少なくとも社会人にとっては、ビジネス英語の方が取っつきやすいのではないかと思います。
ビジネスでのコミュニケーションに求められること
先日、日本で英語によるビジネスコミュニケーションを教えているネイティブの方と話していて教えられてことがあります。それは、
「ビジネスシーンで大切なことは、分かりやすく明確に伝えること。早口で話す必要はないし、早口はむしろ逆効果。難しく話す必要もない。聞いて分からなければ聞き返せばいい。誤解がないように、お互いに正しく理解できるようにコミュニケーションすることが大切」
ということ。その上で
「今も分かりやすく話している。だから、理解できるだろう。だけど、国の友達と話しているところを聞いたら、何を言っているのかきっと理解できないと思うよ」
とも言われました。
また、逆に、今度は、日本語でのコミュニケーションで同じような経験がありました。
外国人の方ですが、日本語がとても丁寧。メール文からして丁寧ですが、実際にお会いして話をしてもとても丁寧で分かりやすい日本語を話されます。
普段その方がどのような日本語を話されるかは分かりませんが、その場では十分な日本語力です。ただし、話が専門的になりすぎると、一部理解できないところはありました。そういうときハッキリと理解できていないと伝えられれば、今度はこちらが違う表現をすれば良いこと。
こうして、日本語ノンネイティブの方と日本語だけで、十分なコミュニケーションができました。
これら経験から言えることは、ビジネスの現場では、とにかく分かりやすく明確に伝える。それが第一で、それができれば何とかなります。
ビジネス英語の基本表現を身につける
ビジネスシーンで英語でコミュニケーションをするのに必要なことは、難しい単語や周りくどい言い回しを使うことではありません。
基本的な英語でいいので、それを分かりやすく、ハッキリと、丁寧に話して伝えることが大切です。
そのような英語表現を身に付けるのにオススメの本が「英会話ペラペラビジネス100」。出版されてから10年以上売れ続けているロングセラーです。
易しい表現でいいので、それを2つ3つとつないで、流暢に話せるようになることがこの本の目的で、すぐに使えて応用しやすい英語の表現が満載です。