今夜はスーパームーンなのですが、台風の影響で月が見られるかどうか微妙です。この次の「月」に関するイベントは「中秋の名月」です。
「中秋の名月」と言えば、イメージとしては、
- ススキ
- 団子
- まん丸いお月様
ですね。
もっとも、日本では都市に住む人の方が圧倒的に多いので、実際には、ススキよりもマンションなど高い建物とお月様を見ている方のほうが多いでしょう。
しかし、「中秋の名月」のお月様は、あくまでもまん丸い満月だと思いませんか?
私はそう思っていました。
「中秋の名月は満月だ。」と。
中秋の名月は満月とは限らない
実際には中秋の名月は満月とは限らないんです。
そして、今年2014年の中秋の名月は満月ではありません。
国立天文台「ほしぞら情報2014年の展望と年間カレンダー」によると、
- 今年2014年の中秋の名月は9月8日
- 満月は9月9日
となっています。
十五夜の月が満月にならないわけ
中秋の名月は旧暦8月15日の月のことです。
旧暦では、新月の日を1日(ついたち)とするので、15日は満月になりそうですが、必ずしもそうではありません。16夜が満月になったり、まれに17夜が満月になったりします。
これは旧暦の1日の決まり方と月の運行の不規則が原因です。
旧暦の決まり方
地球から見て太陽と月が同一方向に並んだとき(新月)を「朔(さく)」といいます。
旧暦では、朔を含む日をその月の最初の日「朔」または「朔日」とし、古い時代には朔が夕方以降に起きた時は翌日を朔日としていたのですが、今ではどの時間に朔がおきてもその日を「朔日」とすることになりました。
朔は、純粋に天体現象ですから、1日のうちのどの時間に起こるかは決まっていないんですね。
朔が0時から24時までの間に起これば、その日が1日になるので、約24時間もの幅があるのです。
月の運行の不規則
月の運行で月の満ち欠けの1周期(朔から次の朔までの長さ)は、平均で29.53日です。
これは平均で、月の運行にはムラがあり、季節によっても変わってきます。平均すると29日と12時間少しというところですが、これにプラスマイナス0.3日程度の幅があります。
ですので新月から満月になるまでの時間も一定ではありません。
まとめ
このように旧暦での1日での決まり方、月の満ち欠けの不規則が原因で、十五夜が満月になるとは限らないんですね。
人間の都合で決めた暦と、そんなことは無関係の天体現象のずれが理由というのも面白いですね。
ちなみに、次回中秋の名月が満月になるのは2021年です。東京オリンピックの後ですね。