ヒアリングマラソンと提供者情報
英語の通信教育や英語の書籍出版を専門にしている株式会社アルク。
一度は聞いたことがある会社ではないでしょうか。
そのアルクが1982年に開講した通信講座がヒアリングマラソン。
ヒアリングマラソンは、これまで30年以上改訂を重ねながらアルクから提供されています。
まさにアルクを代表する通信講座です。
ヒアリングマラソンは、基本的には1年間の通信講座です。
ですが、中には2年3年と続ける人もいるとか。
きちんと取り組めば、やっただけの結果に結びつく講座です。
ヒアリングマラソン概要
ヒアリングマラソンは、1年間で1000時間を英語の音に触れるを目標とします。
非ネイティブスピーカーとして十分なレベルの外国語運用能力を身につけるのに必要な時間は2000時間。
そのうちの1000時間以上は音に接することが必要とされています。
この1000時間を1年でクリアするのがヒアリングマラソンです。
1年で1000時間と聞くと、忙しい社会人の方は「そんなに時間が無い」と思われるかもしれません。
ですが、例えば社会人必須のTOEIC。
そのTOEICで一定のスコアが取れれば実際の仕事の現場でリスニングに困らないかというと、そうではありません。
「TOEICに留まらず、実際の仕事でも困らないの真の英語力を身に付けたい」
ヒアリングマラソンは、そのように思っている社会人の方にこそ取り組んで欲しい講座になっています。
ヒアリングマラソンを始めると届くのは、
- コースガイド
- マンスリーテキストとCD
- ENGLISH JOURNALとCD
このうちマンスリーテキストとENGLISH JOURNAL、CDが毎月届きます。
ヒアリングマラソンの核となるのはマンスリーテキスト。
それにENGLISH JOURNALを補助教材として進めます
ですが、教材の音声だけで1000時間分のリスニングができるわけではありません。
1000時間をクリアするためには、他の時間もリスニング時間に加えられます。
耳に入ってくる英語の音を意味を理解しようとして聞いた時間全てです。
例えば、英会話、英語で映画やドラマを視聴、英語のニュースを聞く時間などです。
このようにして1日3時間程度のリスニング時間を稼ぎ、1年で1000時間を目標にします。
このように、ヒアリングマラソンは、かなり骨太な通信講座です。
聞き流すだけで話せるようになると宣伝する教材とは一線を画しています。
「聞き流すだけの教材を使ったが効果がなかった。」
「英語は一朝一夕に身に付くものではない。」
「TOEICだけではなくて実際に仕事の現場で使えるリスニング力を身に付けたい」
「本当に使えるリスニング力、英語力を身につけたい。」
ヒアリングマラソンは、そんな本気の英語学習者のための教材です。
ヒアリング教材内容
ヒアリングマラソンは、ただ聞き流すだけの教材ではありません。
さまざまなトレーニングが用意されていて、リスニング力からスピーキング力まで鍛えられるようになっています。
テキストは、7つのコーナーとディクテーションコンテスト、マンスリーテストからなっています。
それぞれのコーナーの内容を詳しく説明しましょう。
これで聞ける!英語の音(易しめ)
日常会話やスピーチを聞いて英語特有の音声現象を学ぶコーナー。
ネイティブスピーカーが話す自然な英語を聞き取れるようになるため知っておきたいルールやコツを学びます。
ここで学ぶ音声現象とは「連結」「脱落」「消失」などです。
例えば「at the」では at の t の音が消えるというような内容です。
このような英語の音声ルールを毎月徹底的に学んで聞き取りの基礎力を養います。
3ラウンドで耳づくり(易しめ)
英語のスキットを聞いて「概要→細部→行間」へ英語の理解を深めるコーナー。
言葉を聞くとき頭の中で「ボトムアップ処理」と「トップダウン処理」と呼ばれる処理が高速で行われていると言われます。
「ボトムアップ処理」とは単語やフレーズの小さな単位を理解してより大きな単位を理解すること。
「トプダウン処理」とは文脈や常識からより小さな単位を理解していくこと。
これらをほぼ同時に行うことで正確で深い聞き取りが可能になるわけです。
このコーナーではこれら2つの処理を高速かつ確実に行えるようになることを目指しています。
具体的に、3ラウンドシステムですることは、
ラウンド1でスキットをおおまかに理解し
ラウンド2でスキット中の語彙を学んだ上でスキットの骨子を理解し
ラウンド3で直接スキットの中で言われていないことまで聞き取ってまとめる
こうして確かな聴く力とコミュニケーション力を伸ばしていきます。
トレーニングジム(普通)
通訳者直伝の耳と口を徹底トレーニングするコーナー。
ビジネスから一般的な内容までを扱う談話・インタビュー・スピーチなどを聞きます。
毎月1つの英文素材を使います。
このコーナーでは「たまたま聞き取れた」のではなく「安定して聞き取れる」力を付けることが目標です。
一度聞いた英語を隅々まで聞き取れるようにしていくトレーニングを行います。
トレーニング内容は、ディクテーション、シャドーイング、音読、Repeat and Look UPなど。
これらを徹底して行い、リスニング力とスピーキング力を同時に鍛えます。
このトレーニングは素材を選ばないので、ヒアリングマラソンの他の素材でも応用可能です。
気になる話題でトーク!(普通)
非ネイティブを含む3人のスピーカーのフリートークを聞くコーナー。
旬の話題について、台本なしの生の会話に耳を傾け、聞き取る力を身につけることを目的とします。
生の会話は口ごもりや言い直しの連続です。
音声だけに頼るのではなくて自分の知識も総動員して内容の理解を深めます。
最後には、自分がトークに加わったときにどう意見を述べるかも考えます。
リスニングだけではなくて英語で自分の意見が言えるように話す力も鍛えられ、TOEIC S&W 対策にも有効です。
英語で自分の意見が言えるようになれば、会議や交渉、プレゼンでも自信をもって臨むことができますね。
ニュースの斬り方(普通)
海外メディアで放送されたニュース3本で英語ニュースの聞き取りに挑戦するコーナー。
ニュースを正確に聞き取ることだけではなく、その内容を人に伝える練習もします。
最初はニュースの概要の把握、語注で内容の把握から始めます。
次にリスニング問題で、穴埋めや質問に解答、言い換えの練習。
最後にリピーティングやシャドーイングの訓練でさらに上の英語力を目指します。
さまざまな練習を通じて、聞くだけではなくて発信する力も伸ばしていきます。
教養あふれる音の劇場(難しめ)
ドラマや小説などを聞いて、海外の社会や文化についての知識を深めるコーナー。
10分程度の英語を聞き取る上級者向けの内容です。
さらに聞いた英語について、イギリス出身の大学講師による英語の解説もあります。
聞いた後で理解度チェック、内容確認をし、最後に朗読をします。
豊富な語注が理解の助けになるように工夫されています。
ここでの目標は英語を英語のまま理解できるようにすることです。
シネマ試写室(難しめ)
映画の生音声を聞きながら、生の英語に対応できる耳を作るコーナー。
本編の後には、ネイティブ2人の会話を聞いて、映画について語る表現も学びます。
また、映画内のセリフに注目して、そのセリフのニュアンスや類似の表現も学べて面白いです。
余裕があればシャドーイングにもチャレンジします。
生の英語のスピードやリズムについていける耳を作るのが目標です。
賞品付き ディクテーションコンテスト
受講生参加型のコーナー。
短い音声を聞いてディクテーションをし、書き取った英文をWebから応募します。
音声は、会話・説明文・アナウンス・スピーチなど。
成績優秀者の中から毎月3名に1000円の図書カードが当たります。
マンスリーテスト HEMHET
ヒアリング力を客観的に評価するためのマンスリーテスト。
TOEIC形式の問題を解答してWebから提出します。
毎月受験でき、リスニング力の伸びを客観的に測ることができるようになっています。
TOEIC形式なので、TOEICのリスニング対策としても。
ヒアリングマラソンを独自チェック
ヒアリングマラソンの価格は妥当か
良い意味で、価格と内容のバランスが取れていません。
ヒアリングマラソンの価格は、1年で5万3,784円(税込)です。
1度に払うので高く感じるかもしれません。
しかし、1か月にすると4,482円。
1,512円のENGLISH JOURNALが付いていますので、実質3,000円弱です。
よく練られた教材の内容を考えれば、月3,000円弱というのは安いと言えるでしょう。
リスニング力が身につくか
リスニングに効果があるとされるトレーニングが随所に取り入れられています。
テキストに沿って少しずつ確実に進めることで、徐々に聞けるようになっていくのが実感できます。
教材は、コンテンツそれぞれの特性に合わせたトレーニングで、効率よくリスニング力を伸ばせるよう構成されています。
一定期間集中的に取り組むことで、英語を英語のまま理解できるようになるでしょう。
英語がペラペラになるか
「聞き流すだけで英語が話せるようになる」という教材も売られています。
しかし、ヒアリングマラソンはそういった教材とは一線を画しています。
ヒアリングマラソンを聞き流すだけで英語がぺらぺらにという売り方はしていません。
聞き流すだけでペラペラになりたい人は、ヒアリングマラソンはやめておいた方が良いです。
もっとも、ヒアリングマラソンの教材では、スピーキングのトレーニングもします。
そういったトレーニングでスピーキングに必要な力を伸ばすこともできます。
しかし、ヒアリングマラソンだけで英語がペラペラになるものではありません。
誰でも始められるレベルか
ヒアリングマラソンは、レベルに合わせて
- ヒアリングマラソンベーシックkikuzo(TOEIC 300~)
- ヒアリングマラソン中級コース(TOEIC 450~)
- 1000時間ヒアリングマラソン(TOEIC 550~)
の3コースが提供されています。
自分の英語のレベルに合わせてスタートすることができます。
レベルに合ったところから始めるのが続ける秘訣です。
逆にレベルに合わない受講は挫折の原因になる可能性もあります。
アルクのサイトには、中級コースを続けてTOEIC620→920になった方も紹介されています。
継続すれば、一気にリスニング力を伸ばすことだって可能です。
ヒアリングマラソンの良いところ悪いところ
ヒアリングマラソンのデメリット
- ヒアリングマラソンだけで英語が話せるようになるわけではない
- 慣れるまで毎日辛抱強くコツコツ取り組む必要がある
- 月単位ではなく最低でも6か月単位で購入しなければならない
ヒアリングマラソンに向いていない人
- 聞くだけで話せるようになれる教材を探している方
- 英語を学ぶ明確な目標がない方
- 継続する意欲がない方
ヒアリングマラソンのメリット
- 日本人のリスニングの弱点を知り尽くした教材でリスニング力を伸ばせる
- 英語を英語のまま理解できるようになる
- TOEICのリスニングでも自信を持って解答できるようになる
- リスニング力に自信が持てて英語で積極的なコミュニケーションが可能になる
ヒアリングマラソンに向いている人
- 英語を学ぶ明確な目的があってリスニング力を伸ばしたいと思っている人
- TOEICのリスニングスコアを伸ばしたい人
- TOEICのスコアが良くてもリスニングに今ひとつ自信がもてなくて安定して聞き取る力を身に付けたい人
- 仕事で英語を使うことが決まっていて、あらゆる場面に対応できる英語の耳を作りたい人
ヒアリングマラソンの総合評価
上でも書きましたが、ヒアリングマラソンは、これだけで英語がペラペラ話せる教材ではありません。
聞くだけで英語が話せるような教材を求めている方は、きっとガッカリするのでヒアリングマラソンはしない方が良いです。
そうではなくて、
「仕事の現場でもあらゆる場面で自信を持てるリスニング力を身に付けたい」
「英語を英語のまま理解できるリスニング力をつけたい」
「英語は一朝一夕には身につかないので、じっくり取り組みたい」
そんな英語に本気で取り組みたい人にオススメなのがヒアリングマラソンです。
すでに30年以上アルクの看板講座として提供されていて実績は十分です。
また、テキストを作成すると、同じものをずっと使い続けるような講座ではありません。
ヒアリングマラソンは、毎月新しい素材を使ってテキストを作っています。
そこにアルクの企業努力とヒアリングマラソンに対する思いが感じられる講座でもあります。
ただし、1年で1000時間英語を聞くには、それだけの時間を取る覚悟が必要です。
英語を学ぶ明確な目標がないと途中で挫折する原因にもなりかねません。
ヒアリングマラソンを始める前に、英語を学ぶ目的をハッキリさせてからにするのが良いでしょう。
「続けられるだろうか?」
ではなくて、
「続けるんだ。」
という意欲をもってヒアリングマラソンを始めてください。
ヒアリングマラソンを完走すれば、高い英語力を身についているでしょう。
つまり英語を学び始めたときの目標はクリアされています。
その先には、あなたの夢が待っているのです。